理事長所信

2017年度 理事長 所 信

理事長 江尻哲久

一般社団法人尾張旭青年会議所2017年度スローガン
   限りを決めない挑戦 ~価値あるリーダーと未来への架け橋~

はじめに

 私が、青年会議所に入会したのは2008年のことでした。青年経済人としても社会人としても、まだ右も左も分からない頃でした。多くの方との『出会い』、多くの先輩方より『学び』、多くの仲間から『刺激』を頂きました。当時は、ただがむしゃらに、この時間がどれほど自分を大きく成長させているのかなどとは考えず、しかしながら、この時間無くしては、今の自分はないと、振り返ればそのように思います。

■青年会議所の魅力

 青年会議所の特徴といえば、『単年度制』と『40歳での卒業』と考えています。単年度制であるから、各職務での役割がはっきりとし、40歳での卒業があるから、常に組織には流動性が求められます。卒業がある組織だからこそ、組織を維持するためには、常に新たなメンバーを次代のリーダーへと育成しなければなりません。人は人によってより磨かれるのであれば、人との出会いが多い方がいい。これは新たなメンバーだけに当てはまることではなく、入会歴の長いメンバーにも多くの出会いを経験していただき、そのチャンスに触れていただきたい。己の為でもあり、仲間の為でもあり、さらには組織の可能性を広げることにもなります。これこそが青年会議所の魅力であり、各個にとって大きな財産になるものと考えます。

■次代のリーダーと会員拡大の必要性

 しかしながら、会員数の拡大という点では、青年会議所の特徴は大きな足枷になっているのかもしれません。ただ、私はこう考えます。「40歳での卒業がなければ、この会に誘われていないのでは」と。当然、私が入会した当初はこのような考えはありませんでした。多くの出会いにより、様々な経験、刺激を受け、青年会議所の魅力に触れた時、即ち、青年会議所を知った時より、このように考えるようになりました。
 入会3年以下のメンバーが半数近くに及ぶ現在、まずメンバー各々が青年会議所を知り、理解する必要があります。当然、活動に参加しなければそれもままなりません。理解できればそこに価値が生じます。その価値は一様なものではないでしょう。皆が同じ価値を持つことはできないでしょう。しかし、互いにその価値を認め合うことで新たな価値が生じ、それは互いに個性を磨き、会の新たな魅力へとつながります。また、新たな人財を生み出すきっかけになるものと考えます。
 会員の拡大は、それだけで多くの出会いを創出します。出会いは多くの価値を生みます。無論、会の存続の為という観点での拡大の必要性は言うまでもなく、自らの成長の糧という観点においても会員拡大の必要性は、青年会議所活動における重要なファクターであると考えます。

■青年会議所の規律

 1976年の発足以来、41年という長きに渡る歴史の中で、諸先輩が紡がれてきた伝統を守ることは、会の規律を守ることにあると考えます。また、さらに私たちは、次代にそれを引き継いでいくことが必要です。そのためにも、時代にあった運営方法や手法を再確認し、当たり前のことを当たり前に行い、定款諸規定に則った運営を行ってまいります。
 尾張旭青年会議所は、2012年より法人格の移行に伴い、一般社団法人へと移行しました。5年を過ぎ、その経緯や仕組みでさえを知る者も少なくなっています。また、各諸規定等はどのような考えのもとで作られたのか、また、それらはこの速すぎる時代の流れに沿っているものなのかを今一度学び、検証し、会に属する者として、属する会の仕組みを理解する必要があると考えます。

■青年会議所の活動

 90年代のインターネット普及をはじめに、現在では、誰もがスマートフォンやタブレットを持ち、様々な情報を好きな時に得ることができるようになりました。しかしながら、近年では、あまりに情報の量が多くなり、私たちは、多くの情報の中から選択をする必要性が出てきました。何が自分に合い、自分に必要か、そして正解はどれか。目的があり、それに見合った情報を探すのではなく、様々な情報から、どのように目的を見出し、達成していくのか。そのような場面に直面することも少なくないのではないでしょうか。
 青年会議所活動もまさにその一つと考えます。ボランティアといわれる活動は、自らの時間と労力を使い社会貢献をすることが大半でしたが、近年では、各個人のスキルや知恵をも活用し、新たな社会貢献活動を生み出すことが必要とされています。無論、これは今までの社会貢献活動を否定するのではなく、新たな社会貢献活動は、これまでのそれがあってこそのものだとも考えます。私たちは、地域に住まう青年経済人として、知恵、勇気、決断をもって地域に必要とされる活動を創出していかなければなりません。

■さいごに

 青年会議所の活動は40歳までの限りある時間の中での活動となります。無論、この限られた時間の中で、今後の人生に大きな影響を及ぼす経験や、多くの出会いの中で一生付き合っていける仲間を見つけることができるのならば、その個人の中でこの活動が終わることはないのかもしれません。むしろ、そうであるべきだと考えます。しかし、これに至るには、限られた時間の中で、自らが様々な壁に立ち向かい、それを乗り越えなければなりません。当然、一人では乗り越えることが困難な壁にあたることもあるでしょう。それならば、決して一人で乗り越える必要はありません。仲間と共に手を携えていくことも、または、手を差し出すことも必要なときがあるでしょう。そのように生まれた絆は、限られた時間の中だけではなく、無限に存在し続け、また、無限の可能性をも持つことでしょう。
 メンバー全員にとって、この限りある一年が、限りない一年となり、次代の未来への架け橋となるよう挑戦し、前進していきましょう。