理事長所信/スローガン

理事長所信

一般社団法人尾張旭青年会議所
第49代理事長 坂本 真由
2024年度 尾張旭JCスローガン
 街を誇りに心躍る体験を。
【はじめに】
「子どもたちから見た私たち大人の背中は輝いているのでしょうか?」
目に見えるお金やモノへの執着よりも、目には見えない価値観が重視されつつある現代社会では、若者たちの中で大人に対する憧れが育ちにくくなっているとも言われています。同時に、大人自身もコミュニケーション能力や社会人基礎力の低下が指摘されつつあります。
子どもたちはいつだって私たち大人の背中を見て学びます。今こそこれらの課題に真剣に向き合い前向きに行動し、誇れる背中を見せ続けなければなりません。
【行動できる人を目指して】
青年会議所は、若い世代が地域社会に貢献し、成長し、学び、変革を起こす場所です。どんなに厳しくても、そこにやりがいや喜びを感じられ、それが仲間たちや家族、世の中の役に立っているということを実感できれば、青年会議所の意義を改めて感じることができるはずです。
活動していく中で「自分が何を求めているのか」に目を向けることはとても大切なことですが、そこから一歩前へ踏み出し「組織は自分に何を求めているのか」「地域社会は組織に何を求めているのか」へと視野を広げていくことで、より多くの出会いと、より多くの機会とチャンスを得ることができるのが青年会議所の醍醐味でもあります。
そして、活動する中で一生懸命何かのために「行動できる人」にはたくさんの魅力があります。自分のことより、誰かのために行動できることは、実は自分自身のためになると私は信じています。
20代30代の青年が、仕事や家庭で費やすべき貴重な時間とお金を青年会議所運動に費やすということはそう簡単なことではありません。私自身も尾張旭青年会議所に入会するまでは、仕事と育児で必死なワーキングマザーでした。入会してからも周りの理解を得られることばかりではなく、何が自分にとって大切なことなのかを常に自問し続けてきました。そんな中、入会3年目で専務理事という役職を経験させていただいたからこそ、自己成長と社会貢献への大きな意義を理解することができたと実感しています。見方を変えればどんなことでも面白くなると先輩方に教えていただきました。
これは仕事だから、これはJCだからというのではなく、大切なのは一つひとつをどうやって面白くしていくかだと。その面白さを見つける過程で社会問題、環境問題にアプローチし、まず自分の身の周りから可能性を見つけ、一つひとつの課題を楽しいものに変えることで大きな成長ができるのです。
私たちメンバー一人ひとりが自分事として物事を捉え、自ら行動できる組織となれるよう行動していきましょう。一人はみんなのために、みんなは一人のために。

【新たな視点と価値観で取り組むまちづくり】
愛知から1000キロ離れた島で生まれた私は、地方独特の魅力と世界観に刺激を受けて育ちました。文化や環境の違い、多様な価値観に触れることで新しい視点を得ることの重要性を学んできたことは、私にとっての財産でもあります。
いつか育ててくれた街へ、そして地域の人たちに貢献したいという想いが私の中で芽生えはじめました。しかしその想いに気付いたのは大好きだった地元を離れてからでした。
尾張旭市の地に住み、子育てをしながら尾張旭青年会議所に入会した私は、地域の事業に関わる中で大切なことに気付いたのです。それは「この街が子どもたちにとってのふるさとであり、私たちがこの街を活気づける必要がある」ということです。それまで、生まれ育った場所への想いばかりでいっぱいだった私は、自身の子どもたちだけでなく地域に対しても申し訳ない気持ちになりました。
同時に故郷への愛情だけでなく、地域に対しての責任を感じるようになりました。それは、地域をより良い場所にするために、自分自身が関わっているという当事者意識、すなわちシビックプライドへの気持ちが生まれた瞬間でもありました。
現在の尾張旭青年会議所は、尾張旭市外から入会しているメンバーが多く所属し活動しています。地元出身者とは異なるバックグラウンドと視点を持つ個性的なメンバーが多い今だからこそ、新たなネットワークを取り入れたコミュニティ形成の可能性を秘めています。
地域特有の魅力を多様な価値観で見つけだし多くの人に伝えることがまちづくりの第一歩となるのです。新しいアイデアとクリエイティブな視点による面白さを併せ持った広報戦略をもとに、新しい仕掛けと切り口で情報を発信してまいります。一人ひとりが街を動かしていくというシビックプライドを持ち、そして今こそ地域に開かれた組織として、地域イノベーションに貢献できるよう邁進し取り組んでまいります。

【スポーツへの取り組みで子どもたちに活力を】
「どんな時も5人で頑張ってきたのに・・」
これは小学5年生の時、最後のバスケットの試合で私の次女が言った一言です。
小学4年生から始めた部活動で、ケガをした時や熱中症になりかけた時も決して諦めず、苦しい時には互いに励まし合いながら頑張ってきた5人の仲間がいました。
“次は私たち5人で勝っていく” と6年生に向けた意気込みを強めていた矢先、市内の小学校では地域移行の方針で部活動が廃止となりました。
現代社会において、働き方改革や少子化問題が加速し、全国的にも部活動廃止が広がっていることは理解しています。しかし、頑張っている姿を見てきた親として「6年生になった5人の姿が見たかった」と悔しさが溢れました。
子どもたちを取り巻く環境が大きく変化している中、スポーツ庁が毎年実施している小学生全国運動能力調査によると、我が愛知県の小学生の体力測定結果は全国最下位であると報告されています。近年ゲームやスマホ利用の増加についてはすでに協議されていますが、運動習慣の経験が乏しくなったのも原因の一つだと協調され始めました。これは部活動の地域移行が進む尾張旭市としても取り組むべき地域課題であると認識していています。
子どもたちの健康を守るために身体能力の向上だけでなく、挑戦する力、やり抜く力、チームワークなど、人間性や社会性を育てることができるスポーツを通して、未来を担う子どもたちが元気になる体験の場を提供します。それは決して強制的なものではなくスポーツの面白さを伝え、自ら運動をしたくなるような仕組みを考えます。
地域の方と協力し、子どもたちに自己成長の機会を提供することで健康で活気にあふれた未来を提供するために尽力します。

【未来に花咲く行動を】
青年会議所の運動を展開していくには人材が居なければ成り立ちません。一人では成し遂げられないことも、担い手が一人でも多いとより多くのことにチャレンジできます。そして入会していただくことはもちろんですが、入会を決意してくれたメンバーが楽しみながら活動できる組織であるべきだと感じています。
明るい豊かな社会の実現を目指している組織だからこそ、まず私たち一人ひとりが楽しみながら活動し、責任感と誇りを持ちながら運動を展開していくことを目指します。そして私たち自身が楽しみながら活動することで、一緒にやってみたいと声をかけられるような組織を目指します。この組織の魅力や運動を発信し続けることで尾張旭市内や市外に広がり、力強く根付き、かつ、広域に展開できるよう、活動を発信し続けましょう。
一人ひとりの頑張る姿がまた他の誰かにとっての価値観をくすぐるような、刺激し合えるような、そんな輝く個性を持つ魅力ある人々が集う場所となるために。

【50年を目前に控えた組織作り】
全国で605番目の青年会議所として尾張旭の地で誕生し、先輩方が志を一つに「修練」「奉仕」「友情」からなる運動を紡いでこられた尾張旭青年会議所は、2025年、創立50周年という大きな節目を迎えます。
48年もの長い間、情熱を捧げてこられた先輩方の想いと、その想いに共感した仲間との絆が今もなお続いています。この歴史と伝統こそ、大きな財産なのです。50周年を目前に控えた2024年度は、この尾張旭青年会議所にとって重要な年だと認識しています。
私たちはこの1年間、脈々と受け継がれてきた伝統と現代をイノベーションさせ、能動的に活動していける組織となるように、一つひとつの事業を大切に取り組んでまいります。また本年度は50周年事業特別準備会議を設置し、50周年に引継ぐための準備も着々と進めてまいります。
さらに10年後、この尾張旭青年会議所はどう変わっているのでしょうか。今よりも早い流れで変化する時代に沿った社会の課題やニーズに対応しなければなりません。そんな今だからこそ「こうありたい」という想いをメンバーで共有し、実現したい未来に一丸となって歩んでまいります。入会歴が浅いメンバーでも精一杯努力すれば知恵と想像力を発揮できると確信しています。
持続可能な組織としての強化を図り、50周年を目前にして新たなビジョンをもとに未来への道を切り拓いていきましょう。

【むすびに】
縁あって尾張旭青年会議所に入会し、48年間大切に受け継がれてきた理事⾧という職をお預かりする責任の重さやプレッシャーも大変重く感じております。それでも今、最高のメンバーに囲まれ、相談に乗っていただける心強い先輩方がいてくださるからこそ、50周年に向けて全力で走り抜き、気持ちよくバトンを渡すことが私の使命であると感じています。
皆様の支えのもとで成り立つ理事⾧ではありますが、この街を良くしたい、この組織をより良くしたい、この気持ちを大切に尾張旭青年会議所第49代理事長として、ここにお誓いいたします。
メンバーと共に力を合わせ、共に成長し、社会を豊かにする役割を認識し全力で楽しむことを。
これからの未来を担う子どもたちに、大人として誇れる姿を見せられるように。