理事長所信

2020年度 所 信

理事長 秋田一誠

一般社団法人尾張旭青年会議所
2020年度スローガン
「仲間と共に全力投球!! ~価値あるJC活動のために

はじめに

皆さんにとって「青年会議所」とはどのような存在でしょうか。自己成長の場、仲間づくりの場、地域社会に貢献する場、答えは無限にあります。青年会議所は戦後まもなく日本の復興、再建、そしてなにより「明るい豊かな社会の実現」という目的をもっ て、日本で最初に東京青年会議所が誕生しました。その後も、目的に共感した青年たちが全国に広がりをみせ、各地域に青年会議所が誕生していきました。尾張旭青年会議所もその中の一つであり、全国で605番目に誕生した青年会議所であります。本年度、尾張旭青年会議所は設立45周年という大切な節目を迎えます。長きにわたり先輩方が身を粉にして築き上げてこられた、この伝統と歴史をしっかりと受け継ぎ、活動できることに感謝すると共に、次世代へとこのバトンを引き継いでいかなくてはなりません。また、本年度は1985年以来35年というときを経て再び、この尾張旭の地にて「第53回愛知ブロック大会」が開催されることとなりました。主管LOMとして大変大きな担いとなりますが「修練」「奉仕」「友情」の三信条の基に、この大きな担いを三信条の一つである「修練」と捉え、メンバーと共に全力で挑戦していく所存であります。地域に求められる青年団体となるべく、各地青年会議所が共に掲げる「明るい豊かな社会の実現」に向けて共に邁進してまいりましょう。

ひとりの人間として

我々は、Jayceeである前にひとりの人間です。社会貢献活動をしているからといって勘違いはしていませんか。家族や会社の仲間の理解があってこそ、活動ができていることを忘れてはいけません。いくらJC活動を頑張っても、立派な大義や理屈を語っても、人間としての良識がなければ全く意味がありません。Jayceeは何も偉くはなく、成長段階の人間だからこそ「出来た人」を目指すためにJCで磨かれていくのです。世の中には高い能力を持った「出来る人」はいくらでもいるでしょう。しかし、心の豊かさを伴わなければ、自己中心的な考えから、他人に迷惑をかけたり、不祥事を起こしてしまったりすることもあります。「すべての人に感謝する心」「思いやりのあるやさしい心」「何ごとにも素直で謙虚な心」このように人間としての正しい生き方を貫いてこそ「出来た人」となり、豊かな人生が過ごせるのだと思います。我々Jayceeの根幹は、活動を通じて、ひとりの人間として、正しい生き方を志すことだと確信しております。

青年会議所の魅力

皆さんが青年会議所に入会した動機は様々でしょうが、誰もが自分の為になるからと考えて入会したものだと思います。JCでは明確な目的と成果が求められる中で、ただ漠然と行動していては何の価値も見出せません。役職や役割によって負担こそ違いますが、与えられた役割を一生懸命やりきる姿勢が何よりも大切であり、たとえそれが失敗したとしても「なぜこうなったのか」と考え、気づき、学ぶことができます。気づき、学ぶことができれば、それは「失敗」ではなく、良い「経験」といえるでしょう。基本的には会員は皆平等でありますが、年齢や役職、時には入会年度など、様々な場面で相手を立てることが必要となります。この独自の縦社会において先輩が褒めたり叱ったり指導する場面が多くあります。先輩は指導する立場ですから、常に敬われる存在でなくてはなりません。また、後輩は次世代の「先輩」としての自覚を持つことが重要です。馴れ合いになり叱る人がいなくなれば、緊張感が薄れ組織は衰退してしまいます。このような仕組みが創られてきた背景には、先輩方の熱心なご指導があったからこそ、組織として確立できたのだと思っています。青年会議所は熱い志を持った仲間と無限に出会える場であり、同じ志を持った仲間と共に切磋琢磨し、JC活動を邁進することによりメンバー同士の友情が芽生え、信頼関係を構築することができます。「人は人によって磨かれる」という言葉のように、多くの人と出会い、話し、接することで自身への刺激となり、やがて個々の成長へと繋がっていきます。JCは人格を磨き、人を成長へと繋げていく土壌があります。このような素晴らしい経験ができることこそが、青年会議所の最大の魅力であると考えます。

魅力あるまちづくり

尾張旭市は緑と太陽に恵まれた自然豊かな青年都市です。古くから名古屋のベットタウンとして繁栄してきました。本年、市政50周年を迎えるこの住みやすいまち尾張旭市をより住みやすく、魅力溢れるまちにすることが大切だと考えます。日本経済は緩やかに回復の兆しをみせてはいますが、東京一極集中による地域格差、少子化問題など、まだまだ日本が抱える多くの問題と真摯に向き合い、地方創生の一助となるべく、地域活性化、若い世代の結婚、出産、子育てと、時代に合った安心した暮らしができるまちづくりを行政や地域の皆さんと一緒に考え、必要とされる運動を展開していかなければなりません。「子育てのしやすいまち」「安心して生活ができるまち」「地域の商工業が元気なまち」このような魅力あるまちにすることで、家族が増え、尾張旭市の人口増加に繋がっていくのではないでしょうか。人口が増えることで消費が増え、企業が元気になり消費者へのサービス向上が可能となります。魅力あるまちづくりのためにも、青年会議所として対外事業に地道に参画し、行政や地域の皆さんとしっかりコミュニケーションを図り、地域との繋がりを築くことが大切です。すべての子ども達が将来に夢と希望を抱き、明るく元気で健やかに成長ができる魅力あるまちを共に創り上げてまいりましょう。

青少年育成

「明るい豊かな社会」を創るために、青少年育成は我々の大きな課題であります。子どもは純粋で真っ白な心を持っているはずですから、環境によって価値観や考え方はいかようにも変化します。物心がついていない幼少期や、成長過程にある少年期にこそ、私たち大人が正しい教育や環境、最低限の常識や社会のルール、人としての正しい生き方を子どもたちへ伝えていくことが重要ではないでしょうか。我々は、未来へ夢と希望を抱きながら、素直な心を持った、健全な子どもを育成していくために、地域の大人とコミュニケーションを図り、子どもたちに関心を持てる環境を創りだすことが大切だと考えます。また、若者といわれる青年の育成も考えていく必要があります。「最近の若者は・・・」とよく耳にしますが、素晴らしい心を持っていながら自分自身や周りの 我々が、その心に気づく機会がないだけかもしれません。東海地区協議会では、若者を対象とした洋上研修「JC青年の船とうかい号」を開催しています。各地域から乗船した若者は団体生活の中で、お互いを支えあう心の大切さを実感し、生きる価値を見出しながら大きく成長していきます。我々の青少年育成とは、次世代の担い手を育成するために、大人が人間としての正しい生き方を志し、積極的に行動へと移すことこそが重要だと考えます。

同志の拡大

ここ数年会員数の減少が問題となっています。現状のJCは市民からどのように認識されているのでしょうか。様々な活動の中で、市民に見える部分はごく一部であり、夜遅くまで真剣に議論を重ねる姿は誰も想像できないでしょう。懇親会や二次会などのひとこまを見れば、楽しんでいるだけの団体に映るかもしれませんが、我々は「明るい豊かな社会」を築くために、高い志をもって活動しているのであり、揺るぎない信念をもってJCの良さを発信していくべきだと考えます。本年「第53回愛知ブロック大会」が尾張旭の地で開催されます。ブロック大会では多くの市民の来場が見込めるため、この機会を最大限に生かし、尾張旭青年会議所の活動をより多くの方に知っていただく必要があります。会員拡大の意義は、人間として正しい生き方を共有できる仲間を、一人でも多く創っていくことであり、それこそが真の会員拡大の目的だと考えます。会員一人ひとりがJCの本質的な魅力や可能性を改めて考える機会をもち、積極的に会員拡大に取り組み「明るい豊かな社会」を築くための同志を創ってまいりましょう。

結びに

本年度、第45代理事長という大役を仰せつかり大変光栄に思うと共に、その職務の重責に身の引き締まる思いです。与えていただいたこの職務に責任と自覚をしっかりと持ち、尾張旭青年会議所の更なる飛躍に向けて誠心誠意尽力してまいります。価値あるJC活動のために、自らの行動一つひとつの積み重ねが大切であると確信しています。
「苦しいから逃げるのではなく、逃げるから苦しいのです」たった一度の人生、二度はない人生です。JCには卒業があります。20歳から40歳という限られた時間の中 で、人間としての資質をさらに磨き、青年としての勇気と決断をもって、共に行動し学んでいきましょう。1年間どうぞよろしくお願いいたします。